広島牛は、県北部の中国山地で、主に生産されています。穏やかな気候や風土に恵まれ、やさしい山肌の続くこの地域は、古くから、和牛の産地として知られてきました。広大な山地、豊富な草々といった恵まれた放牧環境が、素朴で強健な、しかも、穏やかな性質をもった広島牛を育んできたのです。また、まるで家族の一員のように、一頭一頭大切に育ててきた牛への愛情の深さも忘れることはできません。 この伝統のなかで、比婆、神石、双三、高田の四つの育種組合がつくられ、昔から変わらぬ情熱をもって、広島牛が育てられています。そして、今では、この四つの育種圏を統一し、より優れた、新しい広島牛が作られているのです。
 
中国地方は、古くからわが国でも有数な産牛地帯をして知られ、その牛を交換・売買する「市」が発達していました。
なかでも、広島県の「久井の市は」千年昔の天暦5年(951年)に起源をもち、わが国の三大市場をして栄えました。久井の市では、戦前まで、神石郡、比婆郡さらに双三郡などの県内産を中心に、中国・四国地方の多くの牛が取り引きされ、一時はその頭数も三万頭を数えたといわれています。
このように、久井の市が古くから異例の発展をとげたのは、広島県の中央部にあり、さらにその背後に中国背陵の産牛地帯をもち、そのうえ、西日本牛馬交流の中心的位置にあったからでしょう。
そのため、神石牛など広島牛の他国への移出の歴史は古く、応和年間(961〜963年)の平安時代にはすでに、出雲の国石見にわたっていたことを古文書は教えてくれます。性質が温和で、飼いやすい広島牛は、昔から西日本一帯の遠隔の地に移出されていたのです。
古くからの確かな伝統は、現在広島牛を育てている人たちのあいだにも、深く根づき、今も息づいているのです。
 
数多くの牛飼いたちの細心の心くばりと、地域が一体となった計画的な育種によって優れた肉用牛として改良が進められてきた広島牛。
その肉質の特徴としては、筋せんいが細かく、むだな脂肪が少ないことがあげられます。肉色は鮮紅色で、小さな「サシ」が細かく入っています。また、ロース芯が太いことも、大きなポイントです。
そして、その味は、和牛ならではの繊細な味わいに、深い「コク」と豊かな風味が加わった広島牛独特のもの。やわらかい舌ざわりに、上品な脂肪の香りがとけあい、まろやかさをかもしだします。また、噛めば噛むほど味を生む、「コク」の深さが、牛肉本来のおいしさを教えてくれます。 。
 
和牛
黒毛和種(肉用専用種)
乳牛
ホルスタイン(乳用種)
父が和牛「黒毛和種(肉用専用種)」で、母が乳牛「ホルスタイン(乳用種)」の交配で産まれてくる牛です。特徴は、父牛と母牛の良いところを併せ持ちます。見た目は、ほとんどが黒い毛の牛 で、早く大きくなります。味は和牛の特徴を受け継ぎ、まろやかな味わいです。また 価格も和牛ほど高くなく、価格と味のバランスのとれた牛肉です。